注型とは、金型の代わりにシリコンゴム等を複製用の型として使用し、型に樹脂を流し込み固化させた後、型を外して製品を作る方法です。
真空注型は真空槽の中で真空状態を作り出し、型の隅々まで樹脂が行き渡るので、気泡ができにくいのが特徴です。

弊社では材料別に大きく分けて2種の注型品を作成出来ます。
・型にシリコンゴムを使用する「ウレタン樹脂注型」
・型にアクリル樹脂を使用する「シリコンゴム注型」

メリット

  • 真空注型では、真空槽の中で真空状態を作り出し、型に樹脂を流し込むため、型の隅々まで樹脂が行き渡るので、気泡ができにくい
  • 真空注型で出来上がる複製品は非常に精度が高く、金型に比べ短期間、低コストで複製品を製作することが可能
  • 物にもよりますが、中ロット(10~20個)の製品を作られる時は、切削試作よりも安く出来る
  • ウレタン樹脂、ウレタンゴム、シリコンゴムの硬度指定も可能

デメリット

  • 材質の選択肢が少ない
  • 寸法精度は、元のサンプルの精度に依存する
  • シリコンゴムなどで型を作るので、型自体の耐久性が低い
  • 時間経過とともに黄変する

作業工程

  1. 1.マスターを作成

    マスターとゲート(あらかじめ樹脂を注入する入口を作成する為のABS等の丸棒)を作成します。

  2. 2.型枠を作成

    型枠の中にマスターとゲートをセットし準備します。

  3. 3.シリコンゴムの計量・撹拌

    主剤と硬化剤を量り、十分に混合します。

  4. 4.シリコンゴムの予備脱泡

    混合時にまき込んだ空気を抜くため真空脱泡します。

  5. 5.シリコンゴムの注入

    脱泡したシリコンゴムを型枠に流します。

  6. 6.真空脱泡

    空気を抜くために真空脱泡します。

  7. 7.ゴム型の完成

    型枠からゴム型を取り出し切開してマスターを取り出したらゴム型の完成です

  8. 8.型の組合せ

    ゴム型に離型材を塗布しテープ等で固定して型の両面を合わせます。

  9. 9.樹脂の混合・撹拌

    主剤と硬化剤を量り、十分に混合します。

  10. 10.樹脂の注入

    成形用樹脂を注入口から流し込みます。

  11. 11.樹脂の硬化

    乾燥炉に入れ、 硬化させます。

  12. 12.仕上げ・完成

    型を外し製品を取出し、仕上げの処理をしたら完成です。

材料一覧

グレード 使用樹脂 主な特徴 硬さ カラー
ABSグレード ウレタン樹脂 ABS同等の機械物性 曲げ弾性率2000MPa付近
ABSに近い硬さ
黒、ナチュラル、白
乳白
※調色可
PPグレード ウレタン樹脂 PPの様な柔らかさあり 曲げ弾性率1500MPa付近
PPに近い硬さ
黒、ナチュラル、白
※調色可
ゴムグレード ウレタンゴム エラストマーの試作に
最適
硬度50~90°迄調整可能 黒、ナチュラル
※調色可
透明グレード ウレタン樹脂 アクリル相当の透明性
外装品カバー等に最適
  透明
※調色可
遮光グレード ウレタン樹脂 バックライト等の遮光が
必要な部品に使用
ABSに近い硬さ
シリコンゴム シリコンゴム

パッキン、キーボタン
等に最適

硬度30~70° 透明、ナチュラル
※調色可

製作実績